こんにちは!今回は、山口県立田布施農工高等学校の生徒の皆さんが、10月28日(火)から30日(木)までの3日間、株式会社ミヤベで体験したインターンシップの様子をご紹介します。
測量からCAD操作、ドローン飛行体験、そして実際の工事現場での作業まで、建設業の仕事を幅広く体験できた充実の3日間。教室では学べないリアルな現場の様子を、1日ごとに詳しく紹介していきます!
初日は会社のオリエンテーションからスタートです!普段なかなか知る機会のない建設業界について、ミヤベがどんな仕事・働き方をしているのか、地域でどんな役割を果たしているのかお伝えしました。
道路や橋、河川といったインフラ整備を通じて、地域の人々の安全と暮らしを守る仕事。
その責任の大きさややりがいについての話を聞きながら、参加した生徒さんは真剣にメモを取っていました。「現場で働く人たちの技術が地域を支えている」という言葉が印象的だったようです。


オリエンテーションの後は、いよいよ測量体験です。使ったのはトランシット(光波測量器)とレベルという、建設現場で実際に使われている測量機器です。

トランシットは、水平の角度と高さの角度(鉛直角)を精密に測るための機械で、建物の正確な位置や角度を決めるときに欠かせない道具です。
一方、レベルは高さや高低差を測る機器で、地形や建物の高さを確認する際に活躍します。
初めて触る高精度な機器に、最初は少し戸惑いもありました。でも、トレーナーの方の丁寧な説明を受けながら、慎重に操作に取り組んでいきます。
角度や高さのわずかな違いが、工事全体の誤差につながることを実際に体験することで、測量という仕事の重要性や精密さを実感できたようです。
午後は、CAD(コンピュータ支援設計)の体験です!
建設現場で使われる図面は、今やほとんどがコンピュータで作られています。
図面作成の基本操作、線の引き方、レイヤー(層)の概念など、基礎的な部分を学びながら、
実際に簡単な図面制作にも挑戦しました。マウスを動かす手は最初は少しぎこちなかったものの、
だんだん操作に慣れてくると、自分のアイデアを形にすることを楽しんでいる様子が見られました。
中には、CADを使ってアニメキャラクターのイラストを描いていただき、真剣に取り組みながらも、
楽しそうに作業をしているおり、デジタル設計の可能性や面白さを感じてもらえたようです。


2日目はいよいよ実際の工事現場です。
机上で学んだことを、本物の仕事に結びつける貴重な一日となりました。
最初に訪れたのは、「いこいと学びの交流テラス舗装工事(1工区)」の現場です。
ここでは上層路盤の施工を体験させてもらいました。
上層路盤とは、道路の舗装を支える「路盤」の上半分にあたる部分で、特に強度が求められる層です。私たちが普段歩いたり車で走ったりする舗装道路の下には、実は見えない構造が何層にもあって、それぞれが道路の耐久性や安全性を支えているんですね。
現場では、コンバインドローラやバックホウといった大型の重機を間近で見学。実際に操縦席に乗せてもらう場面もありました。初めて触れる重機に、生徒さんの目はキラキラ輝いていて、興味津々の様子。操作体験では笑顔も絶えず、「難しいけど楽しい!」という声が聞けました!
重機が動くたびに地面が変化していく様子を見て、建設のダイナミックさとスケールの大きさを肌で感じることができたようです。

午後には「令和6年度防府維持管内防災工事」の現場を訪問しました。
ここで体験したのは法面養生(のりめんようじょう)の作業です。
切土や盛土によって作られた斜面が崩れないように、ブルーシートをかけて、その上から土嚢(どのう)で固定していく作業です。一つひとつは小さな動作ですが、その積み重ねが災害を防ぎ、人々の安全を守ることにつながると聞いて、参加者も納得の様子でした。
自分の手で実際に土嚢を置く作業を通じて、災害防止の基礎がどのように作られているのかを実感できた貴重な体験になったと思います。


最終日は、ドローンを使った最新の測量・設計技術を体験しました。
ミヤベでは、ICT技術を積極的に取り入れて、建設現場の効率化と精度向上を目指しています。ドローンはその代表的なツールで、高い場所や広い範囲の測量を、安全かつ短時間で行うことができるんです。
参加者は実際にドローンの操作を体験。最初はおそるおそるコントローラーを握っていましたが、空高く上がるドローンの映像をモニターで見ながら、自分の操作で機体が動く感覚に感動していました。
また、ドローンで撮影したデータがどのように三次元モデルの作成や数量計算に利用されるのかを学び、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の最前線にも触れることができました。昔ながらの技術と最新のテクノロジーが融合する、今の建設業の姿を見ることができたと思います。

ドローン体験の後は「令和6年度 岩国・大竹道路錦見地区舗装他工事」現場へ移動して
集水桝(しゅうすいます)の設置作業を見学しました。
集水桝とは、雨水を効率よく流すための設備で、道路の安全を守るうえで欠かせないものです。現場では、ミヤベの若手社員の方が、実際の施工位置や高さの調整について丁寧に説明してくれました。
図面では分かりにくい構造を実際に目で見て理解することで、施工の奥深さや技術の繊細さを実感できたようです。生徒さんからは「道路の下にこんな仕組みがあるなんて知らなかった」「すごく緻密な作業なんですね」といった感想が聞かれました。
普段何気なく通っている道路の裏側には、こうした細やかな技術と作業が支えていることを実感していただけた貴重な見学となったと思います!


今回の3日間のインターンシップを通して、参加した生徒さんは、教室での学びでは絶対に得られない「現場のリアル」にたくさん触れることができました。
測量から設計、施工まで、一連の業務の流れを実際に体験しながら、そこに関わる人々の技術や努力、そしてチームワークの大切さを感じ取ってもらえたのではないでしょうか。
建設業は、私たちの安全で快適な生活を支える基盤を作る重要な仕事です。道路や橋、河川といったインフラは、当たり前のようにそこにありますが、その裏には多くの人の技術と情熱があります。
今回のインターンシップが、建設業の魅力ややりがいを知るきっかけになれば嬉しいです。
また、将来の進路を考えるときに、「こんな仕事もあったな」と思い出してもらえたら幸いです。
田布施農工高等学校の生徒さん、3日間本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました!