山地治山総合対策事業 古屋地区|治山工・砂防工|株式会社ミヤベ(R7年6月 竣工)

山地治山総合対策事業 古屋地区 令和6年度 復旧治山工事

本工事は、山口県岩国市守内字古屋地区において実施された「山地治山総合対策事業」の一環として、崩壊の危険性が高い山腹の安定化と、土砂災害の未然防止を目的に施工した復旧治山工事です。
本地域は多雨地帯(年間降水量 2,000mm 以上)で、地質も中・古生層地帯に属することから、豪雨時の斜面崩落リスクが非常に高く、治山施設の整備が急務となっていました。

発注者は 山口県岩国農林水産事務所 で、2024年11月12日〜2025年6月30日の工期で施工を行いました。
工事は単独受注(株式会社ミヤベ)で行い、現場では安全管理と工程管理を徹底しながら、山腹工・治山土工・基礎工・緑化工・仮設工など多岐にわたる作業を実施しました。

工期:2024年11月12日 ~ 2025年6月30日

発注者:山口県 岩国農林水産事務所

施工場所:山口県岩国市守内 字古屋 地内

施工前写真

【工事の目的】

本工事の実施地区では、急傾斜地が広く分布しており、大雨のたびに土砂の移動が発生していました。
そのため、斜面の安定化対策として 掘削・法面整形・かご土留工・軽量緑化水路工・伏工(ネット・マット工法)などを組み合わせ、総合的に山腹の安全性を向上させることが求められた工事です。

【工事概要】

山腹工(0.32ha)

  • 斜面全体の安定化を目的とした基幹工種
  • 地質と降雨条件を踏まえ、切土・盛土をバランス良く実施

治山土工

  • 掘削工:1,827m³
  • 残土処理:1,271m³
  • 法面整形工
    • 切土法面:2,258.4m²
    • 盛土法面:686.1m²

地形に合わせ、精度の高い法面整形を行い、豪雨時の滑動や崩落を防止。


山腹基礎工

  • かご土留工:259.6m
    耐久性の高い金網かごを用いて斜面下部を強化

水路工

  • 軽量緑化水路工(A型):39.0m
  • 軽量緑化水路工(C型):79.5m

水の流れを制御し、緩衝効果の高い緑化材料を用いた構造で環境保全にも寄与。


山腹緑化工

  • 伏工(ネット・マット系工法):2,944.5m²

降雨時の表土流出を抑制し、植生回復を促進するための重要工種。


仮設工

  • 工事用道路工(不陸整正):2,160m²
  • 仮水路工(暗渠排水管 撤去 76m ほか)

施工環境を整備し、作業の安全性を確保。


【施工地点の条件】

  • 所在地:山口県岩国市守内字古屋 地内
  • 気象条件:多雨地帯(年間降水量2,000mm以上)
  • 土質区分:中・古生層地帯、礫質土

立地条件が厳しい中、安全に最大限配慮して施工しました。


【工事に携わった技術者】

● 現場代理人・監理技術者

堀川 敦司(従事期間:2024年11月12日〜2025年6月27日)

● 主任技術者

堀川 敦司

● 担当技術者

高﨑 勇吾(従事期間:2024年12月26日〜2025年6月27日)

現場の状況を的確に判断し、災害防止と施工品質の確保を両立しました。


【まとめ:本工事の成果】

本工事により、古屋地区の斜面は強固に整備され、豪雨時の土砂災害リスクが大幅に軽減されました。
かご土留・伏工・法面整形・水路工などを組み合わせた多層的な対策により、地域の安全性が高まり、林地保全と環境維持に大きく寄与する成果となっています。

完成後写真

今後も株式会社ミヤベは、地域に寄り添いながら安全・安心な環境づくりに貢献してまいります。